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Taobaoでの発注

中国の工房にTaobao(淘宝)経由で発注するときの流れと注意点。

執筆: Reflex

着ぐるみのマスク工房は中国に多く、その多くがTaobao(淘宝)を注文の窓口にしています。中国工房への発注はこのWikiで扱う代表的な選択肢のひとつですが、日本国内の工房に頼む場合とは、やりとりの仕方も支払いも発送も勝手が違います。このページでは、Taobao経由の発注に絞って流れを詳しく見ていきます。

発注そのものの考え方(採寸、仕様の詰め方、検品など)は経路によらず共通なので、先にマスクの発注を読んでおくと理解しやすくなります。

アリババグループが運営する、中国最大級の通販プラットフォームです。個人や小規模の店舗が多数出店しており、着ぐるみ工房もその一つとしてショップを構えています。

日本の通販サイトと感覚が違うのは、商品ページの「購入」ボタンより、店舗チャットでのやりとりが主役だという点です。カスタムマスクのような受注制作品は、チャットで仕様と金額を詰めてから、合意した金額の支払い用ページを用意してもらって購入する、という順序で進みます。

基本は自分でTaobaoから注文する

Section titled “基本は自分でTaobaoから注文する”

工房と直接やりとりでき、仕様の詰めや修正指示も正確に伝わるため、これが基本の形です。決済もTaobao経由で問題なく行えます。

必要になるのは、Taobaoのアカウントと、中国語(翻訳を通した文章で構いません)でのやりとりです。アカウント登録や決済手段の対応状況は仕様変更が多い部分なので、始める前に最新の情報を確認してください。

配送だけ手当てが必要な場合がある

Section titled “配送だけ手当てが必要な場合がある”

注文と決済は自分でできても、荷物を日本まで運ぶ部分は工房によって扱いが分かれます。

  • 日本国内へ直接配送してくれる工房もあります。この場合、追加の手配は必要ありません
  • 国外への発送に対応していない工房の場合は、中国国内の住所で荷物を受け取って国際便で送り直してくれる転送サービスを使います。転送手数料と国際送料が上乗せされます

どちらになるかは工房ごとに違います。見積もりの段階で、日本への発送に対応しているかを必ず聞いてください(費用の目安と予算計画)。

工房が別の窓口を持っていることもある

Section titled “工房が別の窓口を持っていることもある”

工房がX(旧Twitter)や公式サイトなど別の窓口を持っている場合は、そちらで英語・日本語のやりとりができることもあります。その場合、Taobaoは実質的に決済の窓口として使うだけになります。

工房を見つけたら、まず日本からの注文にどう対応しているかをチャットで聞いてみるのが確実です。日本人からの注文に慣れている工房なら、推奨の経路を教えてくれます。

購入代行にまとめて任せる場合

Section titled “購入代行にまとめて任せる場合”

購入から受け取り・国際発送までを日本の業者に任せる方法もあります。中国語のやりとりや決済の準備が不要になる一方、カスタムマスクとは相性の悪い部分があります。

カスタムマスクは、注文から完成まで数ヶ月〜1年以上かかり、その間に仕様の確認・モデリングの修正指示・分割払いと、何度もやりとりが発生する特殊な買い物です。「在庫のある商品を1回で買う」前提のサービスだと、受注制作品・分割払い(前金と残金)・大型荷物に対応していないことがあります。また、造形の細かい修正指示を人づてに伝えることになるため、意図が伝わりにくくなります。

そのため、代行を使うとしても工房とのやりとりは自分で行い、決済や配送で必要になった部分だけ頼むのが現実的です。まるごと任せるのであれば、依頼前に受注制作品を扱えるか、分割払いに対応できるかを確認してください。手数料・国際送料・関税が上乗せされる点もあわせて見込んでおきます。

ここからは実際の手順です。工房によって細部は違いますが、おおむね次の順で進みます。

1. 工房のショップページを見つける

Section titled “1. 工房のショップページを見つける”

Taobao内を検索して探すこともできますが、Xで見つけた工房の公式アカウントからショップのリンクを辿るのが確実です。同名・類似名の店舗や、他工房の作例写真を無断で使っている出品もあるため、公式アカウントを起点にしてください(主な工房一覧)。

ショップページでは、作例写真のほか、その工房が既製品も扱っているか、肌タイツやパーツ類も出しているかを確認しておきます。

ショップのチャット窓口から連絡します。スマホアプリなら、商品ページ下部か、ショップページのタブにある「客服」(カスタマーサービス)ボタンからメッセージを送れます。

Taobaoアプリの商品ページ下部。左から店铺、客服、お気に入りのアイコンが並び、右にオレンジ色の「加入购物车」「立即购买」ボタンがある

Taobaoアプリのショップページ上部のタブ。左から首页、宝贝、晒单、客服が並び、上部には9999元という展示用の価格が見えている

中国語のボタン表示に迷いやすいので、あわせて覚えておくとよいものを挙げておきます。

  • 客服: カスタマーサービス。相談・見積もりはここから
  • 店铺: そのショップのトップページへ
  • 首页 / 宝贝: ショップのトップ / 商品一覧
  • 晒单: 購入者のレビュー投稿。実際にお迎えした人の写真が見られることがあります
  • 加入购物车 / 立即购买: カートに入れる / 今すぐ購入。カスタムマスクの相談段階では押しません(展示用の高額な価格のまま購入してしまいます)

やりとりは中国語が基本ですが、翻訳を通した文章で問題なく進みます。ただし造形や色の話は言葉だけだと誤解が起きやすいので、画像で伝えるのが基本だと考えてください。

最初の相談で伝えるのは、見積もりに必要なぶんだけで十分です。おおむね次の3点になります。

  • キャラクターのイラスト: 正面・横・後ろなど複数角度のもの。髪型がわかる資料は多めに
  • 必要なアクセサリー・パーツ: 髪飾り、猫耳、帽子など、あわせて作ってほしいもの
  • 追加表情の枚数: 表情差分を何種類つけるか

採寸データや連絡先は、この段階では送りません。細かい情報は、後で工房から届くオーダーシートに記入して返す形になります。

あわせて、日本国内へ直接配送してもらえるか、希望納期に間に合いそうかも聞いておきます。見積もりは金額だけでなく、何が含まれるか(ウィッグ、パーツ、表情差分、送料)まで確認しましょう。

返信が遅いこともありますが、営業時間・時差(1時間)のほか、春節(旧正月)や国慶節といった中国の大型連休の期間は工房自体が長期間止まります。連休をまたぐ時期は、返信も制作も止まるものとして予定を考えてください。

見積もりの内容がまとまると、工房からオーダーシート(注文書)が送られてきます。ここに詳細を記入して返送する流れです。書き込むのは、たとえば次のような内容です。

記入内容がそのまま制作の指示になるため、採寸は特に慎重に。送り返す前に、記入したシートの控え(コピーやスクリーンショット)を必ず手元に残しておきましょう。後で仕様の食い違いが起きたときの根拠になります。

シートを受け取るタイミングは工房によって前後します。前金の支払いと同時のこともあれば、支払い後に送られてくることもあります。

4. 専用リンクの発行と前金の支払い

Section titled “4. 専用リンクの発行と前金の支払い”

内容に合意すると、工房が支払い用のページ(専用リンク)を案内してくれます。展示用の高額な商品ページからではなく、案内されたページから購入します。

支払いは前金(定金)+残金の分割が一般的です。前金を支払った時点で正式な受注となり、制作枠が確保されます。工房によっては、前金の支払い後に「前金カード」のようなメッセージカードを送ってくれることもあります。

支払いページの形は、そのショップの前金の決め方によって2通りに分かれます。

  • 数量で金額を組み立てる形: 単価の違う商品を組み合わせて、合計が請求額になるようにします。たとえば「10元の商品を2個、100元の商品を28個」で合計2,820元、といった具合です。仕様によって前金の額が変わるショップでよく見られます
  • 前金専用のページが用意される形: 前金が一定額のショップでは、その金額の専用ページが送られてくることが多いです。案内されたページをそのまま購入します

前者は、指定された商品と個数を間違えると支払額がずれます。購入する前に、チャットで指示された組み合わせと数量を必ず照らし合わせてください。カートの合計額が、合意した金額と一致しているかの確認も忘れずに。

分割払いは、代行を使う場合につまずきやすいポイントです。前金と残金で2回の決済が必要になるため、代行業者にその旨を伝えておきましょう。

制作が始まると、造形の画像を見せてもらえます。修正を頼めるのはこの段階です。輪郭、目の大きさや位置、鼻・口の造形など、気になるところは遠慮せず具体的に伝えてください。「もう少しかわいく」のような曖昧な言い方ではなく、キャラクターの公式画像を並べて「ここをこう」と示すのが確実です。

造形が固まって塗装工程に入ってからの修正は、難しくなるか、追加費用が発生します。確認できる回数や修正できる範囲は工房のルールに従いますが、この段階での確認だけは丁寧にやっておく価値があります。

髪色を相談して確定します。色見本の写真を送ってもらって選ぶ形が多いですが、写真の色は撮影時の光の具合でかなり変わります。キャラクターの公式画像を渡したうえで、色見本の番号でも指定するなど、両方から擦り合わせておくと安心です。

完成した実物の写真で最終確認をして、問題なければ残金を支払い、発送となります。

発送前に確認しておきたいのは次の点です。

  • 発送方法と追跡番号: 国際便で数日〜数週間、通関でさらに時間がかかることがあります
  • 箱の大きさ: マスクの箱は非常に大きく、受け取りにも保管場所にも場所を取ります
  • 関税・輸入消費税: 受け取り時に支払いが発生します。代行経由なら業者の案内に従います
  • 電池・磁石を積んでいないか: 積んでいる場合、航空便で送れないことがあります(下記)

日本国内へ直接配送してくれる工房なら、そのまま自宅で受け取れます。国外への発送に対応していない工房の場合は、転送サービスや代行業者の倉庫を経由することになるため、その手配を済ませておきます。

届いたら、開封の様子を動画または写真で記録しながら検品します。輸送破損・仕様の相違・付属品の欠けを確認し、問題があればすぐに工房と配送業者に連絡してください。手順は検品・納品と共通です。

代行や転送を挟んだ場合、どこで破損が起きたのかが争点になりがちです。開封記録は、代行業者に対しても自分を守る材料になります。

Taobaoのメッセージ機能には、客側から数週間ほどメッセージを送らないでいると、ショップ側からメッセージを送れなくなる仕様があります。制作期間が数ヶ月〜1年以上に及ぶ以上、これは実際に困る場面が出てきます。そのため、注文時に別の連絡手段を聞かれるのが基本です。

QQのIDを聞かれることが多いのですが、現在QQのアカウントを日本から簡単に作ることはできません。X(旧Twitter)のDMやメールなど、別の連絡手段でも問題ないかを注文時のチャットで確認しておきましょう。あわせて、こちらからも定期的にメッセージを送って会話を生かしておくと確実です。

支払いまわりで気をつけること

Section titled “支払いまわりで気をつけること”
  • 為替: 金額は人民元建てです。前金から残金までの数ヶ月〜1年の間にレートが動くため、日本円での総額は最初の見積もり時点と変わります
  • 総額で考える: 本体価格に、代行手数料・国際送料・関税・(必要なら)転送料が上乗せされます。国内工房と比べるときは、必ずこの総額で比較してください
  • 記録を残す: 合意した仕様・金額・納期は、チャットのログとして残る形でやりとりします。口頭や通話だけで決めない、スクリーンショットを取っておく、といった習慣が後で効いてきます
  • プラットフォーム外での送金には慎重に: 直接送金を求められた場合、トラブル時に取引の記録が残りません。応じるかどうかは自己判断ですが、リスクは理解したうえで
  • 公式アカウントから辿る: 工房を騙る偽アカウントや、他工房の作例を流用した出品があります。必ず公式サイト・公式Xから辿った窓口かを確認してください
  • SNSで突然来る「代理受注」DMを疑う: 発注詐欺の典型的な入り口です
  • 評判を確認する: 工房名でXを検索して、お迎え報告や最近の評判を見ておきましょう(実績・評判の調べ方)
  • キャンセルは原則できない: オーダーメイド品です。前金を払う前に、キャンセル規定を確認しておきます

中国の工房=Taobao経由とは限りません

Section titled “中国の工房=Taobao経由とは限りません”

河妖工房(コウヨウ工房)のように、日本に実店舗を構えてX(@heyaoheyao)で日本語での発注を受け付けている中国工房もあります。この場合、代行も中国語のやりとりも必要ありません。

日本語や英語でやりとりできる窓口があるかどうかは工房ごとに違うので、まずは各工房の公式サイト・Xを確認してみてください(主な工房一覧)。